2026年6月5日金曜日

インターネットがさらに分断を広げる

※ 2024年2月執筆

敢えて以前に書いたものを見返すと鮮明になることがあると思う。


人類にはいろいろな分断があり、両勢力で激しく争うことがよくあります。

極端なもので言えば、天動説と地動説、社会主義と資本主義です。

かつては、インターネットやSNSが発達すると、誰でも自由に発言出来ることで、平等に対話が行われ、相互理解が深まるのではないかという期待がありましたが、実際は、かえって分断が深まっているというのが現実と思われます。

そして、最近、やはりそうであったと思わされる出来事があったと思います。

それは、2024年2日6日に行われた、アメリカのニュース解説者タッカー・カールソンのロシアのプーチン大統領への単独インタビューです。


◆正反対の見方しかない

タッカー・カールソンのプーチン大統領へのインタビューに関しての評価は正反対のものしかないように感じます。

一方は、「ウクライナ紛争を含む隠された真実が語られた」という肯定的見解ですが、もう一方の主張は「仕組まれた茶番だった」という完全な否定的見解です。

それぞれのグループは、現在流行の悪い言い方で表すことが出来てしまいます。

それは、肯定派は「陰謀論者」で、否定派は「DS(闇の政府)側」です。

大手メディアは、一部を除きほぼ否定側です。

とにかく、この出来事によって、世界の大きな分断が明らかになったと思われます。


◆歴史的出来事のはずが

西側(米国をはじめとする資本主義国)のメディアによる、プーチン大統領への単独インタビューが行われたことは信じ難い出来事でした。

しかも、時間制限がないという異例のもので、実際、インタビューは2時間以上にも及びました。

ところが、驚くべきことに、インタビューを行ったタッカー・カールソンはフリーのニュース解説者で、どこのテレビ局にも所属していません。

カールソンは元々、CNN(米最大手放送局)のキャスターだったこともありますが、最近まではFOXニュース(米大手放送局)の超人気キャスターでした。

しかし、昨年(2023年)、カールソンは突然FOXニュースを解雇されました。解雇理由は諸説ありますが、FOXニュースのカールソンの番組の視聴率は極めて高く、また、カールソンはまだ54歳と若いことを考えても謎とされています。

しかし、普通に考えれば、スポンサー企業の圧力であると思われます。

日本も同じですが、日本のNHKやイギリスのBBC等の公共放送を除き、テレビ・新聞などのメディアは公共機関ではなく、スポンサー企業の意向に沿う必要があります。

よって、大手メディアも決してジャーナリズム精神(真実・公平)だけでやっていけるものではありません。

つまり、FOXニュースでのカールソンのニュース解説は、FOXニュースのスポンサー企業にとって非常に好ましくない傾向であったのだと思います。

とはいえ、超人気キャスターであるカールソンに対し、他テレビ局のスカウトは当然ありましたが、ここで問題が発覚します。

FOXニュースはカールソンを解雇したとはいえ、2025年1月までカールソンとの契約は残っており、2000万ドル(約28億円)とも言われる年棒をカールソンに支払う代わりにカールソンの支配権を持ち、カールソンは他局に移籍出来ません。

カールソンはFOXニュースに契約解除を求めましたが、FOXニュースは応じず、係争中とも言われています。

FOXニュースも、ライバル局に視聴率をもたらすカールソンを移籍させるわけにはいかないのでしょう。

そこで、カールソンは、SNSのX(旧ツイッター)にニュース番組を開設しました。これは誰でも出来ることで、これなら、あくまで個人の立場での情報発信を行うのであり、FOXニュースとの契約に反しないと思われます。

このことは大きな話題になり、XのCEOであるイーロン・マスクとカールソンの対談がXで配信され、さらにカールソンの人気が上がったように思われます。

カールソンのプーチン大統領へのインタビューもXで視聴出来るだけでなく、多くの人がYouTubeで自国の字幕を付けたり、自国語で吹き替えを行ったりし、それを見た多くの人がカールソンを称賛する一方、日米の主要メディアはこの出来事を黙殺しました。

よって、まだまだ大勢いるテレビや新聞しか見ない(SNSを活用しない)人々は、この出来事を知りません。

この出来事は、ネットで情報を得る人とテレビしか見ない人の間との分断があることも実感させてくれました。


◆日本のメディアの扱い

新聞、テレビなど、大手メディアは先ほども述べた通り、カールソンのプーチン大統領へのインタビューについてほとんど報道しませんでした。

その中で、著名な専門家を集めて討論を行うTBSのBS放送番組(インターネット同時放送)「報道1930」で、このインタビューを少し取り上げていました。

ただし、インタビューそのものを取り上げたというより、「珍奇な出来事があった」といった扱いでした。

この番組では、コメンテーターである大学教授やシンクタンクの研究者、また、有名評論家などは、カールソンは次のような人物だと述べています。

彼はトランプ前大統領の側近、あるいは、アドバイザーで、このインタビューも、カールソンがトランプの指示で、トランプが大統領返り咲きを目指す2024年の米大統領選挙の選挙対策として行ったのだとほとんど断言していたように思われます。

さらに、カールソンは信用に値しない人物で、政治や国際問題を扱う資格のないモノを知らない薄っぺらな人物であるとし、その他の中傷をも行い、ますます、このインタビューに価値がないことを印象付けます。

番組の結論として、このインタビューの目的は、プーチン大統領の発言により、アメリカの世論を誘導するためであるといった論調でした。

確かに、こういった見解を持つ人もいると思いますが、全く別の見解を持つ人々も大勢います。

ところが、番組では、他の見解は全く語られず、テレビしか見ない人は、この番組の見解を信じると思います。

カールソンのプーチンへのインタビューを極めて重要なものと考える人々と、それを全くの無価値と断ずるメディアを信じる人々。ここにも大きな分断が見られます。

補足として述べると、カールソンは2023年8月29日には、ウクライナと国境を接するハンガリーの首相ビクトル・オルバンとも単独インタビューを行っています。ファシストであるとも言われるオルバンとのインタビューも難しいのですが、噂とは違い、礼儀正しく良識を感じられるオルバンの姿を初めて見た人も多いと思います。

ただし、このインタビューも、インターネットのSNSで報じられただけで、テレビでは報じられませんでした。


◆アメリカの分断

元々、アメリカは左派(リベラル派)の民主党と右派(保守派)の共和党の分断がありますが、現在は、その分断は特に深刻であると思われます。

重要な問題について、両者の主張はかなり極端に異なります。

もちろん、民主党、共和党それぞれの中でも異なる主張があります。

しかし、それぞれの主流派の主張は、はっきりしています。

移民問題では、移民を無制限に受け入れる民主党と、不法な移民を拒否する共和党。

脱炭素問題では、パリ協定を遵守し、アメリカ国内での石油の採掘をやめ、自動車を全てEV(電気自動車)にすることを目指す民主党と、脱炭素問題は虚偽として、パリ協定を脱退し、石油を大いに採掘し(トランプ大統領時代、アメリカは世界最大の産油国)、自動車はEVを止め、ガソリン・ディーゼルに戻す(あるいはハイブリッドを採用する)という共和党。

WHO(世界保健機構)を手厚く支援する民主党と、WHOは利権団体であるとして、これから脱退しようとする共和党(トランプ大統領はWHOを脱退しバイデン大統領で復帰しました)。

LGBT問題では、LGBTの権利を無制限に認める民主党と、一定のラインを設けた上で権利を認めるべきという共和党。

ここまで、極端に違えばアメリカの分断は止められません。

仮にテレビしかないなら、国民の大多数が大手メディアの主張(ほぼリベラルと思われます)の影響を強く受け悪い意味かもしれませんが、分断は少なかったはずです。

インターネットとSNSは、ますます分断を加速させますが、それが独裁を防いでいるという肯定的な見方もあります。

そこで、問題は、一般国民がどう正しい判断力を持てるかということと思います。


以上です。

2026年5月30日土曜日

不要になる職業(教師編)

2024年1月執筆

2023年にOpenAIの対話型AIであるChatGPTが世界を席巻し、負けてはいられないGoogleは、ChatGPTと同じ対話型AIであるBard(バード)を発表しました。

そして、さらにGoogleは2023年12月、新AIのGemini(ジェミニ、あるいはジェミナイ)を発表し、その性能は多くの部分でChatGPTを超えると言われています。

(BardとGeminiの関係がすっきりしないのですが、GeminiはBardから使え、普通の人にはGeminiとBardは一体化したものと考えて良いと思います)

仮に、ChatGPTがGeminiに劣っても、ChatGPTも次期バージョンが控えていますし、他社からも優れたAIが登場する可能性があります。

つまり、AIは、まだまだ進歩するということで、限界は見えません。

その中で、AIの現状とGeminiの素晴らしさを実感出来る学校の授業の話をします。

AIの発達で不要になる職業があると言われますが、教師もそうであるかもしれません。


◆カーン・アカデミーの成功

AIの発達以前のITにより教育革命を起こしたカーン・アカデミーは、教育の専門家ではない投資アナリストのサルマン・カーンが作ったものです。

カーンは、従来の教育法の欠点を解決することで成功しました。その欠点と解決法は次の通りです。

・従来の教育は1つのことを1回だけ教え、その1回で理解し損ねた子供は見捨てられることが多くありました。そこで、カーンは、何回でも見ることが出来る録画ビデオの授業を採用しました。

・教室や一般オンライン授業では、生徒は必ず教師の顔を見せられます。しかし、教師の顔は生徒の注意を過剰に奪うことが分かりました。そこで、カーン・アカデミーの学習ビデオでは教師の顔はなく、手だけが現れます。脳科学的にも手を見せることは学習効果を高めるという信憑性の高い研究があります。

・生徒が学習に集中出来るのは10分までです。カーン・アカデミーの授業ビデオは全て10分以下です。

・従来の教育は科目ごとに分けて教えますが、必要なら一緒に教えることが効果的であることが分かり、カーン・アカデミーではそれを採用しました。


AIを使うまでもなく、カーン・アカデミーはITで学習効果を大きく上げることが出来たわけです。

そして、AIにより、さらに大きな成果を期待出来ます。

カーン・アカデミーは、教師は不要とは言いませんが、なくても何とかなることを示しました。

そして、AIでいよいよ教師は不要になるかもしれません。


◆小テストの有効性

AI研究者のピーター・ノーヴィグは、自身のスタンフォード大学の講義を一般公開する際、カーン・アカデミーを参考にし、講義時間は6分以内で2分のものもあり、映像は紙に手書きする動画だけで、「居酒屋で頭の良い友人に教わっている」雰囲気を目指したと言います。

しかし、授業を効果的に進めるには小テストによるチェックが必要であることを良い教師はよく知っています。

そこで、ノーヴィグは小テスト問題を作り、生徒には期限内の答案提出を義務付けました。

ここで問題になるのは、小テストを解けない生徒のケアです。

これに関して、ノーヴィグは専用のSNSを設置することで解決しました。つまり、生徒同士で教え合うのですが、それは教師が質問に答えるより良い成果が出ました。

この時点で、教師はほとんど不要と思われました。

ただし、小さな教室では、教師が小テストを通じ、生徒に手厚いサポートをする効果はやはり大きいことが分かっています。

そこで、いよいよAIの登場です。


◆Geminiのテスト添削(書き加えや削除を含む修正や指導)能力

最初に紹介したGoogleの新AIであるGeminiを、テストの添削に導入すればどうなるかの実験が行われました。

紙に印刷されたテスト問題に、生徒が手書きで回答した数学の答案用紙を使いました。

生徒の解答の正誤判定だけでなく、途中経過の評価が必要ですし、証明問題もあります。

生徒が書いた文字は癖があり、人間でも読み難いものがありました。

しかし、答案用紙をスキャンしてGeminiに渡すと、Geminiは正確な正誤判定や採点だけでなく、途中経過や証明問題の解答のどの部分が間違っているかを指摘し、その間違いを正しく修正し、その詳細な解説も用意しました。

さらに、もし生徒が、AIの解説が理解できない場合、生徒自身がどこが分からないかを普通の言葉で伝えれば、それに対してGeminiが解説することはもちろん、生徒が何が分からないのかをGeminiが複数推測し、生徒がその中から選択するだけで、それに沿った新しい解説を行います。

そして、驚くべきことは、Geminiは、小学校から高度な専門分野のテストまで、添削するために、何の準備もいらないことです。

Geminiを導入すれば、誰でも即座に、そんなことが出来るのです。

さらに、生徒好みの姿と音声で応対してくれるアバター教師を作ることは現在の技術でも可能で、これをGeminiと組み合わせることが可能になります。すると、生徒は好きなタイプの教師に1対1で教わることが出来、学習が楽しいものになります。


◆実務への応用

上記のように、AIのテストの添削の能力は驚くべきものですが、テストであれば、正解があります。

もっと高度なレベルの問題では、解答がなく、そんな問題に対し、人間は専門家を中心とした人々が協力して解答を探します。

そんな能力でもAIが人間を引き離した時、いよいよ人間が不要になる可能性が高まりますが、それは、そう遠くない時期に実現すると考える研究者が多くなっています。

解答のない問題を解決するためには想像力が必要ですが、AIが想像力を持つことは可能と考えられています。

人間の想像力の仕組みも分かってきています。そして、それはAIが十分に持ち得る能力であると予想されていて、さらに、AIは人間より高い想像力を持つ可能性が十分にあります。


以上です。

2026年5月11日月曜日

強まる巨大IT企業の世界支配

※2023 年12月執筆

昔から日本では「お客様は神様です」という言葉が根付いていると思います。

アメリカでは、さすがに神様とは言いませんが、それでも「お客様が正しい」という理念はあると聞きます。

しかし、IT時代には、お客様の定義が相当変わってきているように思います。


◆アマゾン利用者はお客様か?

現在、世界中の人がアマゾンで買い物をしています。

その理由は、圧倒的に便利だからです。

あらゆる商品が豊富に揃い、売れ筋商品の大半は、翌日、あるいは、当日に届き、配送料は基本無料です。

さらに、珍しい商品も簡単に検索して見つけることができます。

ところで、アマゾンで買い物をする人がアマゾンのお客様であるかというと、従来の「お客様」という意味では違うと思います。

アマゾンは、買い物客、販売事業者、配送会社を取り持つプラットホームを提供しているだけです。

そのプラットホームがあまりに優れているから、世界中の人がアマゾンで買い物をするわけです。

そして、買い物客は、アマゾンの、その素晴らしいプラットホームを無料で利用させてもらっているのです。


◆なくては生きていけないグーグルサービス

グーグルの数多くの素晴らしいサービスの大半は無料です。

たとえば、Gmail(電子メール)、グーグル検索、グーグルドライブ(大容量ストレージサービス)、グーグルマップ、グーグルアシスタント(AI)、さらには、ChatGPTに対抗するAIサービスであるBard等々、全て無料です。

本来は、これらのサービスのいずれも、利用料が高額でも当たり前なほどの高機能で高品質なサービスです。

そして、今や、グーグルのサービスを使わなければ、仕事も生活も出来ないという人が多くなっています。

野口悠紀雄氏(経済学者。イエール大学経済学博士。元大蔵省官僚。元東大教授)は、ある日、通信障害でグーグルサービスが使えなかった時、絶望的な気分になったとX(旧ツイッター)で告白していました。

グーグルの収益の大半は広告であり、お金は企業から取っていますが、グーグルのサービスが無料である1つの大きな理由は、グーグルはサービスを利用するユーザーのデータを得るという目的があるからです。

このデータが、広告において大きな力になります。また、広告以外にも、様々な使い道があります。

いずれにしろ、アマゾンの場合以上に、我々がグーグルのお客様であるとは言えません。


◆ビッグテック(巨大IT企業)はユーザーの行動を制限する

もし、アマゾンに気に入らない部分があっても、我々はアマゾンの利用をやめることは考えられません。

これほど便利なものの代わりがないからです。

買い物だけなら楽天でもできますが、アマゾンビデオなど付属する圧倒的なサービスは、一度使うとやめられません。

そして、上でも述べました通り、グーグルのサービスはそれ以上に現代人が必要としています。

Gmailといった電子メールは、LINE等の普及により、使わない人が多くなっています。

しかし、Gmailアカウントで利用できる膨大なサービスは、もはや現代人には必要不可欠になっています。そもそも、世界で最も普及しているAndroidスマートフォンではGmailアカウントが事実上必須です。

ここまでくれば、グーグルは企業ではなく、国家に相当するところがあり、考え方によってはそれ以上の力を持っています。

たとえば、誰かに対して、グーグルがグーグルアカウントを取り上げても、誰も文句は言えません。

グーグルアカウントを取り上げられることは、人権を取り上げられるに近い感覚があると思う人が多いと思います。

これが国であれば、まだ世論に訴えることができますが、グーグル相手ではそれが難しいのです。

たとえば、グーグルドライブに不道徳な画像を、単に保管目的でアップロードしても、グーグルがアカウントを停止したという話があります。

これはどういうことか、少し考えるべきと思います。

つまり、何が不道徳であるかは、法律でも裁判所でも世論でもなくグーグルが決めるのです。

道徳などの問題に関して、よく話題になるのがグーグル傘下にあるYouTube(動画投稿サービス)です。

YouTubeは、事実上、テレビなど、あらゆるメディアを超える世界最大の情報メディアと言えると思います。

YouTubeはグーグルアカウントを持っていれば誰でも、視聴はもちろん、投稿もできます。

投稿には広告が付けられ、それによって投稿者は広告料を得ることができ、動画の再生数が多ければ収入も大きくなり、かなり高額な収入を得ている投稿者もおり、これで生計を立てている人もいます。そんな人達が、現在の若者が憧れる職業の1つであるユーチューバー(YouTuber)です。

ところが、動画の内容が規定に反していれば、グーグルにより、動画が削除されたり、さらには、アカウントを一時停止されたり、取り消しになることすらあります。

確かに、サービス提供者には規定を決める権利がありますが、YouTubeでは、規定に反しているかどうかの判断も完全にグーグルが決めます。

さらにいえば、規定に同意できなくても、グーグルはそんな意見を聞く必要はありません。

夕ーチューバーが、アカウントを取り消され、不意に収入を失うことになっても、ユーチューバーは全く反論できません。

同じ動画が、YouTubeでは規定違反として削除されても、ニコニコ動画やX(旧ツイッター)では何の問題もないことはよくあります。

たとえば、よく知られているものでは、新型コロナウイルスに関するワクチンや薬品問題、2020年米国大統領選挙の不正問題、J.F.ケネディ暗殺問題などは、話題にしてはならない、あるいは、してはならなかった時期があります。

高い評価を得ていて、支持者も多いユーチューバーが、アカウント永久停止となり、YouTubeから排除されたこともあります。ただし、多くの場合、ニコニコ動画やXでは全く何の問題もないのです。

YouTube以外のことに関しても、グーグルには絶対的な権利があり、ユーザーはそれに従わざるをえません。しかも、ユーザーは、それが気に入らないからサービスを使わないという選択ができません。


これらから考え、巨大IT企業には人々の思想を統制する力がすでにあり、巨大IT企業の善意に人類の運命がかかっているのではないかと思われることがあります。

そして、AIの進化によりその力はさらに大きくなります。

どういうことかと言いますと、AIは個々の人間を監視できるようになり、巨大IT企業やそのスポンサー企業の利益に反する人物に対し、圧力を加えることが現実的に可能であるかもしれませんし、それが既に行われていると言う人もいます。


以上です。

2026年5月5日火曜日

誰もがプログラミングをする必要があるか?

※ 2023年11月執筆

誰もがプログラミングをする必要はないということをなるべく根拠を持って説明しようと思います。

たしなみのために少しはピアノを習っておくのはまだ良いかもしれませんが、プログラミングはそうではないと思います。


◆「全ての人がプログラミングを」とそそのかす勢力

10年ほど前、頻繁に、「全ての人がプログラミングを学ぶべき」ということが世界中で喧伝されていたと思います。

当時の米国大統領だったバラク・オバマが「全てのアメリカ人がプログラミングを学んで欲しい」と演説し、アメリカの巨大IT企業が共同で世界的な無料プログラミング教育サービスプロジェクトを起ち上げ、多くの国の学校がプログラミング教育を導入し、日本の学校もそれに倣った感があります。

現在もそれが継続していますが、人間のプログラミングの適性に関し、いろいろなことが分かってきました。


◆名門大コンピューター学科の学生の6割がプログラミングができない

イギリスのミドルセックス大学で書かれた「ふたこぶラクダ」という論文が一頃有名になりました。この論文は現在は取り下げられていますが、興味深い内容でした。

ミドルセックス大学はコンピューター分野で高い評価を受けている大学です。

その大学のコンピューター学科の学生にプログラミングを教えたところ、満足にマスターできたのは4割だったと言います。

この大学のコンピューター学科に入学する学生ですから、コンピューターに興味があり、頭脳もそれなりに優秀であると思われますが、6割はマスターできなかったのです。

どんな科目の勉強でも、できる子とできない子はいますし、それは楽器演奏やスポーツ等でも同様です。

ところが、プログラミング言語Rubyの開発者として世界的に知られる技術者のまつもとひろゆき氏が、学校でのプログラミング教育について、それどころではないことを言っていました。

「プログラミングは、能力の差が極端過ぎ、評価ができないのではないか?」

これは、できる子は素晴らしい能力を発揮するが、一方、できない子は全くできないということです。

他の学科では、これほどの極端なことは起こらないと思います。

国語や算数では、頑張れば誰でもそれなりの結果が出ますが、プログラミングでは、頑張ってもさっぱり駄目なこともあり得ます。

なぜそんなことになるのでしょう?


◆IT企業経営者の本音

人の想いは、堅苦しい改まったインタビューより、YouTubeでの気楽な話の方が本音が現れるものと思います。

ある時、ドワンゴ創業者として有名でカドカワ取締役(筆頭株主)の川上量生氏がYouTubeの中でこんな話をしていました。

「企業って本音では(学歴が高い社員ではなく)地頭がいい社員が欲しいんです」

川上氏はドワンゴで自ら、優秀な人材を採用していました。

また、川上氏は著書の中でこんなことを書いています。

「プログラミングは地頭が良ければ誰でもできるんです」

地頭とは、純粋な頭の良さです。地頭はIQ(知能指数)と完全に同じとは言えないまでも、相関はかなりあると思います。

つまり、IQが高ければプログラミングは誰でもできるというのと同時に、IQが高くなければプログラミングができないということです。

マイクロソフトCEO時代のビル・ゲイツも、

「プログラミング能力は純粋なIQです。IQにより極端な成果の差が出ます」

と言っていました。プログラミング能力が生命のマイクロソフトを長く率いたゲイツの言葉には信憑性があります。

また、筆者は、日米の沢山のIT企業に関わった国際ITコンサルタントにこう言われたことがあります。

「プログラマーの能力はIQだけですよ」


◆IQのタブー

これで1つの結論を見た思いがします。

最初の「ふたこぶラクダ」の論文で、なぜ4割の学生しかプログラミングがマスターできなかったのかというと、上位4割のIQがプログラミングの適正があるというだけのことです。

コンピューター学科の大学生の平均IQは全ての国民のIQよりいくらか高く、少なくとも105以上と考えて良いと思います。そのうちの4割ですから、正確ではありませんが115以上程度のIQがそれに該当すると思われます。

すると、プログラミングはIQ115以上でないとマスターできないと思われますが、これは立場ある人が軽々しく言えることではありません。なぜなら、IQが遺伝的に決まるという考え方が今でも優勢で、IQに触れることは差別的と捉えられがちだからです。

しかし、近年の研究では、IQはある程度は遺伝で決まるとしても、後天的に伸ばすことができるという説が有力と思います。


◆AIがプログラミングをする時代

抵抗がある言い方かもしれませんが、プログラミングをマスターするIQ(推定115以上)がなければ、実りのないプログラミングの勉強に時間をかけず、もっと自分に向いたことにエネルギーと時間を注ぐべきと思います。

また、ChatGPTなどのAIが高度なプログラミングを行えることは知られており、ますます、人間がプログラミングをする必要がなくなります。

今のところ、AIにプログラミングをさせるには、プログラミングが出来る人がAIに指示をする必要があります。

しかし、いずれは、プログラミングができない人でも、AIに実用的なプログラミングをさせることができるようになるでしょう。

人間は、もっと、自分の好きなこと、自分に向いたこと、そして、本当に必要な勉強をするべきであるし、実際にアメリカでは教育も含め、そのような流れが起こっていると思われます(学校以外で学習を行う「アンスクーリング」教育等)。

学校でプログラミング教育を必須にする流れが世界的にありますが、ごく基本的な部分に止めるのが良いと思います。


※尚、言うまでもなく、IQテストで計測できるIQは、頭の良さ全体を示すわけではなく、IQテストの成績が低くても優秀な人は沢山います。しかし、IQテストで良い成績を出せる人(パズル的な問題が得意な人)でないとプログラミングに向いていない可能性は高いと思われます。


以上です。

2026年5月1日金曜日

IT巨人達の失敗から考える未来

 ※2023年10月25日執筆

ITの世界は、同じような失敗が何度も繰り返されているというお話をしようと思います。

GAFAM(グーグル、アップル、メタ※旧フェイスブック、アマゾン、マイクロソフト)すら、同じ失敗で、凋落する可能性があると思います。

キーワードは「他をナメると衰退する」です。


◆IBMの凋落

1911年に創業されたIBMは、長くコンピューターの世界を支配する圧倒的な巨人でした。

そんなコンピューター世界の転機は1970年代のパソコン(パーソナルコンピューター)の発展でした。

ところが当初、IBMはパソコンをコンピューターとは見なさず、おもちゃのようなものだと見なしてナメていました。

そんな中、大学を中退したばかりのスティーブ・ジョブズが自宅のガレージで始めたアップルがパソコン製造販売で成功したことを含め、パソコン市場が急成長します。

そんなパソコン市場の急激な拡大により、ついにIBMがパソコン市場参入を宣言します。

これで、パソコン市場もIBMが奪っていくと思われました。

しかし、その後起こったことは興味深いものでした。

アップルの売り上げは、落ちるどころか新記録を更新し続けました。

一方、この時でもIBMはパソコンをナメており、自社の最優秀な人材をパソコン分野に回さず、全く社外の二十歳そこそこだったビル・ゲイツや西和彦の設計を採用し、現在に至るも世界最多の特許保有数を誇るIBMがパソコンに関しては法的に大らかな方針を取ります。

それで何が起こったのかと言いますと、IBMのパソコンであるIBM-PCの互換機(中身が同じパソコン)を作る企業が沢山現れました。

これまで、政府、一流大学、大企業といった、言い値で買う客を相手にビジネスをしていたIBMには製造効率の概念があまりなかったのに対し、IBM-PCの互換機製造メーカーは効率的な製造ラインを開発し、IBMよりはるかに安価な金額で販売できました。

さらに、IBMは手痛いミスを犯します。

IBM-PCのOS(オペレーションシステム)を開発したマイクロソフトのビル・ゲイツは、そのOSであるMS-DOSをIBMに売らず、ライセンス供与とし、売れたのがIBM-PCだろうが、その互換機だろうが1台に1つのMS-DOSが売れ、マイクロソフトが収益を上げ続けるのに対し、IBM-PCは売れず、その互換機ばかりが売れ、IBMは全く儲かりませんでした。

さらに、小型・中型コンピューターの性能向上により、IBMの大型コンピュータの販売も不振になり、IBMはかつての威光を失っていきます。


◆アップルの凋落

パソコンの黎明期はアップルの天下でした。

しかし、今度はアップルがIBM-PCとその互換機をナメていました。

ビジネス用途を強く意識したIBM-PCの互換機が売り上げを伸ばし、相対的にアップルの業績が下降する中、アップルのCEOであるスティーブ・ジョブズはゼロックス社と共同で、当時としては先進的なウインドウズタイプのパソコンであるLisa(リサ)を開発し、意気揚々と市場に送り出しましたが、先進的ではあっても、ビジネスの役に立たず、そして、高価なLisaは全く売れませんでした。

アップルは慌てて、ジョブズを無視し、Lisaを簡易化し安価にしたマッキントッシュパソコン(MAC-PC)を発売し、デザイン分野での用途の優位性をアピールし、一定の人気を得ましたが、業績は低下し続け、ジョブズはアップルを追われます。


◆マイクロソフト帝国の躍進と凋落

アップルが凋落し、IBM-PC互換機がパソコン市場を席捲する中、IBMは互換機メーカーに売上を奪われたのに対し、OSや重要なソフトウェアを提供するマイクロソフトは巨大になる一方のパソコン市場を支配し、CEOのビル・ゲイツは全米一、そして、世界一の富豪になります。

IBMがパソコンをナメさえしなければ、アップルがIBM-PCをナメさえしなければ、その立場はIBMかアップルのものでした。

痛い教訓を得たIBMは、1980年代終わり頃に、ビル・ゲイツに対し、次世代OSであるOS/2をIBMとマイクロソフトで共同開発して利益を折半することを強行に提案し、ゲイツにそれを飲ませます。

しかし、鳴り物入りでデビューしたOS/2は、高機能ではあっても、その分、動作が遅く、IBMらしい堅苦しさのため人気が出ませんでした。

そんな中、ゲイツは「あくまでOS/2へのつなぎ」という言い訳をしてWindowsという、軽快に動き使い易いOSを単独開発し、このWindowsが大ヒットし、現在にいたるもパソコンOSの圧倒的主流となっています。

IBMとジョブズの失敗の共通点は同じで、機能が高ければ評価されると思っていたのと違い、一部のマニアックなユーザーを除き、一般ユーザーは軽快で使い易いことを好むのです。

いずれにしても、またしてもゲイツにしてやられたIBMは、ついにマイクロソフトと決裂します。

しかし、今度はマイクロソフトに危機がやってきます。

1990年代の半ば頃までは、ゲイツはインターネットをナメていました。こんなものが普及するとは思わなかったのです。

それで、マイクロソフトのインターネットへの取り組みが遅れました。

その後、ようやくインターネットの重要性を受け入れたゲイツは上場前のグーグルに破格の条件で買収を提案しましたが、グーグルのラリー・ペイジは「ゲイツは時代遅れ」と嫌い、買収を拒否します。

ところで、インターネットは、アップルを追われたジョブズが得意な「面白くて便利なことが重要」な世界を作ります。

ついにジョブズ復活の時がやってきたのです。

ジョブズは一度追われたアップルに請われ、CEOとして復帰します。

ジョブズはビジネス用途を無視し、クールで面白い小型端末を開発し、それを最大に生かせるインターネット音楽配信サービスを開始して大成功します。

そして、ついに2007年、アップルはスマートフォンのiPhone(アイフォン)を発売し、これが驚異的なヒットとなり、これにより音楽配信サービスもさらに業績を上げ、その他のメディアサービスもことごとに成功します。

グーグルもすぐに続き、Android(アンドロイド)スマートフォンが登場します。

そして、iPhone用アプリをアップルが、Android用アプリをグーグルが完全支配するプラットフォーム独占ビジネスで、現在にいたるも両社は莫大な収益を上げ続けます。

さらに面白いことが起こります。

ビジネス用途に関心がなかったジョブズが作ったiPhoneなどのモバイル端末が、逆にビジネスの新しい形態を作っていくという意外なことが起こり、ますますアップルは発展します。

一方で、ゲイツは、いつまでもスマートフォンによるモバイルコンピューティングをナメていました。

ゲイツは、キーボードが付いたパソコンこそITの主流であると疑いませんでした。

後にゲイツ本人が、「スマートフォンの可能性が分からず、社内の最優秀な人材をこれに注ぎ込まなかった」と自分の失敗を認めています。

これは、自分が若い時に打倒したIBMと同じ間違いではないかと思います。

ゲイツの後を継いだCEOスティーブ・バルマーも「スマートフォンなどすぐに廃れる」と言い、マイクロソフトは時代に取り残され、凋落していきました。


◆次はGAFAMの凋落か?

一度落ちかけたマイクロソフトですが、ユーザーに向き合うサービスとクラウド事業で生まれ変わり、さらに、AIの覇権を虎視眈々と狙って投資を続け、ついに、時価総額世界一の座に返り咲きます。

ところで、時価総額と言えば、ある異変が起こっています。

上位をGAFAMが独占する中で、2023年9月は、アマゾンに続きエヌビディアが5位でした。

十年前なら、エヌビディアという企業名を知るのは、パソコンゲームの熱心なファンくらいでした。

パソコンで高度なゲームをするには、普通のパソコンだけでは駄目で、パソコンのグラフィック処理を強化するグラフィックボードが必要です。エヌビディアは、このグラフィックボードのメーカーです。

グラフィックボードの正式な名称はGPU(グラフィックス・プロセシング・ユニット)で、現在でもCPU(セントラル・プロセシング・ユニット)と間違う人が多いというより、そもそも、GPUという名称を知らない人が大半でしょう。

エヌビディアのGPUは昔から性能が優れており、ゲームマニアはこの高価なGPUをパソコンに組み込むことを必須と心得ていました。

ゲームと言えば、ソニーのプレイステーションや任天堂スイッチ、マイクロソフトX-BOXが普及する中で、なぜパソコン用GPUを作るエヌビディアのGPUがかくも発展したのでしょうか?

(上記のゲーム機は主にAMD社のGPUを搭載。次期スイッチはようやくエヌビディア製を採用)

面白いことに、AIの処理にGPUが使われるからです。

グラフィック処理とAIの処理は同じベクトル演算が使われるのですが、GPUとはベクトル演算に特化したプロセッサです。

GAFAMも現在、AIに最大の力を注ぎ、他にも、ChatGPTを開発したことで世界的に知られるようになったOpenAIや、その他のAIの新興企業が現れていますが、AIを動かすには高性能なGPUを必要とし、これらのAI企業は高価なGPUを我々に想像も出来ないほどの量を買い続けています。

こうなれば、エヌビディアが儲からないはずがないことが分かると思います。

どんなAIの時代になっても、GPUが必要ということに変わりはありません。

そして、逆に言えば、これほどGPUが求められるということは、世界はAI化に突き進んでおり、AIをベースにした世界に急速に変わるということです。

もちろん、他の半導体メーカーも高性能GPUの開発を進めていますが、長年、ゲームで培ったエヌビディアのリードは大きいものです。

そのAI世界であるWeb3の世界では、これまでと同じではGAFAMすら生き残れません。

実際に、その兆候も見え始め、GAFAMもまた、変化しなければ生き残れません。

Web3の世界では、GAFAMが支配していたそれぞれのテリトリーを飛び越えることが可能で、GAFAMの支配が弱まります。

ユーザーは、必要なサービスが得られれば、それをグーグルから受けようが、アップルから受けようが、その他から受けようがどうでもよくなるのです。また、GAFAMのそれぞれの企業単独ではできなかったサービスも現れます。

GAFAMは、それぞれの分野で国を超えて市場を独占していたことで傲慢になり、Web3をナメている証拠がかなり見られます。

GAFAMがIBMのように下降したままか、アップルやマイクロソフトのように変身して生き残るかが注目されます。


以上です。

2025年2月4日火曜日

重要性を増すブロックチェーン

 「いまどきブロックチェーンを知らないなんて遅れている」と言われたのは10年以上前ですが、今でも、ほとんどの人がブロックチェーンについて「名前くらいは聞いたことがある」という程度で、少しでも説明できる人はほとんどいないでしょう。

このブロックチェーンが想像を超えた驚くべき重要なものであることと同時に、その闇について説明しようと思います。


◆なぜブロックチェーンが知られていないのか?

ブロックチェーンとは、簡単に言えば、以下のような特徴を持つデータベースです。

①無限の規模

②絶対壊れない・消えない

③セキュリティは完璧

④プライバシー保護は完璧

⑤管理者不要

という夢のようなものです。

こんなものが本当にあり、完全に完成しているのです。

ちなみに、使用料は無料です。

こんな重要で簡単なことを、なぜほとんど誰も知らないのかというと、まずはもちろん、ほとんどの人が自分と関わりがないと思っているからです。

しかし、それにしても、この世界の未来を決するほど重要なものがこれほど知られないのには理由があるはずですが、その理由とは次のようであると思います。

たとえば、上の③の「セキュリティは完璧」ということについて、書籍やセミナーでは「なぜセキュリティが完璧なのか?」という、余計なことを説明するからです。

そんなこと、説明したって普通の人には分かりません。生半可な理解は間違いなく誤解で、それなら、理解しよう(させよう)などと思わない方が良いと思います。

しかし、人間は、ものによりますが、「俺に分かるように言ってくれるべきだ」と感じる傲慢なところがあります。

たとえば、子供がテストで百点を取ってきても「どうやって百点を取ったのか?」と聞く父親はあまりいませんが、子供が不登校になったら「なぜ学校に行かないのかお父さんに分かるように言いなさい」と言います。

話だけ聞いて理解出来るはずがないのに、お父さんは「俺に分かるように言え」と言うのですから無茶な話です。

子供が不登校になった理由が理解出来ない原因と、ブロックチェーンが理解出来ない原因は似ていて、それは、「自分が知らないことを知ろうとしないから」です。

人間は、知識が増えるほど、知らないことも、自分が知っている知識を使えば理解出来ると思ってしまい勝ちです。

しかし、人間に理解できることは、自分の頭の中にあることだけです。

今は、ほとんどの人の頭の中にないことがどんどん出て来ています。

だから、今の世の中では、自分が知っている知識や経験がまるで役に立たないことが沢山あり、また、これからも沢山出てきます。

新しいことを受け入れる覚悟が必要です。

そして、ブロックチェーンに適応する方法と子供の不登校を解決する方法も似ています。

それは「向き合うこと」です。

話だけ聞いて理解出来るなどと思わず、当事者意識を持つことが必要です。


◆マイナンバーシステム

上で述べたブロックチェーンの5つの特徴を知って、当事者意識を持てば、ブロックチェーンに適応できます。

ところが、問題は、これらの特徴があるがゆえに使いたがらない、使わせたがらないのが政府だということです。

政府が必然的に持つ思惑を理解することが、ブロックチェーンの深い理解につながると思います。

たとえば、最近、よく話題になるマイナンバーカードが良い題材です。

マイナンバーカードには批判も多いのですが、ほとんどの人は、批判の本質が何か分かっていません。

報道でよく聞くマイナンバーカードのトラブルは表面的な問題に過ぎません。

マイナンバーカードは、マイナンバーシステムのための道具です。

マイナンバーシステム自体は多くの国にありますが、日本のようにマイナンバーカードに書かれた個人番号で、保険証など、あらゆる個人情報を紐付けようとするような国は他にありません。

なぜ、そんなことをしようとするかと言いますと、政府は国民のプライバシーを丸裸にして管理しようという思惑を持っているからですが、それがうまくいった例はどこの国にもありません。

それを今やろうとする日本は、世界的に見て、ITに関して完全に周回遅れなわけです。

そもそも、現在の日本のマイナンバーシステムは極めて時代遅れで、それが多くのトラブルを生んでいます。

ITに通じた人であれば、マイナンバーシステムは、現在のものは潔く捨て、ブロックチェーンを導入して新しく作り直せば良いことを知っています。

ブロックチェーンを導入したエストニアでは、短期間に低コストで、安全で便利なマイナンバーシステムを構築し、国民に多大なメリットを与えています。


◆政府はブロックチェーンを嫌う

上にあげたブロックチェーンの5つの特徴を見れば、なぜマイナンバーシステムにブロックチェーンが向いているか分かると思います。

セキュリティが万全で個人情報が保護され、絶対に壊れません。

(しかも、使用するために、グーグルやアマゾンに巨額のお金を払う必要がありません)

しかし、このことが同時に、(社会主義国家が典型ですが)あらゆる政府がなぜ、ブロックチェーンを採用したがらないのかの理由になっています。

日本政府も、もちろんそうです。

それは⑤の管理者不要というところです。逆に言えば、管理者を持てないのです。

管理者不要だからこそ、④の利用者のプライバシーが完全に守られます。

しかし、上で述べた通り、政府は、国民のプライバシーを丸裸にして完全に管理したいのです。

ブロックチェーンというユーザーのプライバシーが守られる仕組みを導入すれば、それができなくなります。


◆ブロックチェーンの発明者については今も謎

何度も述べましたように、ブロックチェーンのように管理者が不要なシステムでは、政府が管理者になって、国民の全ての情報を把握することが出来ません。

ブロックチェーンの発明者は、そんな仕組みが必要だと思って、ブロックチェーンを設計・開発したのだと思いますが、その正しさがはっきりしてきたと思います。

ブロックチェーンの発明者はサトシ・ナカモトという日本人だと言われていますが、この人物に関する全ては謎です。

もし、サトシ・ナカモトの正体が分かったら、逮捕されるのではないかとも言われています。

その理由は、これが、上に述べたように政府にとって不都合なものであるという理論上の話だけではなく、既に、ブロックチェーンによって、重要なことで政府の管理を離れてしまったものがあるからです。

それは、ブロックチェーンを使ったビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨です。

つまり、仮想通貨が普及し、銀行の管理が及ばない通貨が作られてしまったのです。

銀行の管理が及ばなければ政府の管理を離れているということで、これを実現したことが国家反逆罪と言われても不思議はありません。

しかし、もはや、政府も、どうしようもないというのが現実です。仮想通貨は世界中で普及してしまいましたから。

ただし、他のことでは、政府は徹底的にブロックチェーンの導入に抗うでしょう。

けれども、Web3という新しい時代は、ブロックチェーンが必要とされます。完全に世界はそちらに向かっています。

新しい時代を迎え、政府などの古い人間と新しい人間との間でひずみが生まれていますが、余計な争いや混乱を避け、自由で平等なWeb3の世界に進むべきと思われます。

Web3への流れは、どうしようと止められないからです。

(ただし、政府やGAFAMは今もそれを阻止しようとしています)

そのためには人々がブロックチェーンを理解する必要がありますが、まず知るべきことは上の5つだけで、そこから始めれば良いと思います。


以上です。


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2024年12月5日木曜日

巧妙化するAI詐欺

もし、ロシアのプーチン大統領が「アメリカに核攻撃を行うことを決定した」と演説する映像を見ても慌ててはいけません。
そんな映像は、今や、誰でも作ることができると言っても良いと思います。
少し前に、トランプ前大統領が大勢の警官に逮捕される様子の画像がネット上に流れ、この時は、かなり大騒ぎになりました。
この画像は、ミッドジャーニーという有料ではありますが、わずかな会費で誰でも使えるAI画像生成サービスを利用して作ったもので、そのような画像を作るのはそれほど難しくありません。その出来事以降、ミッドジャーニーではトランプ前大統領の画像を生成することが禁止されました。
こういった静止画像、音声、動画が誰でも作れるようになってきました。
それがどんな意味を持つのか、分かり易い例でお話しようと思います。

◆情報は信用できない
今でも、写真とか録音は犯罪捜査の証拠になりますし、有名人の男女が2人でいる写真を撮られたらニュースになることがあります。
しかし、そんな写真画像は、いまや誰でも作ることができると言って良いと思いますし、今後は、ますます簡単にリアルなものを作ることができるようになります。
上のトランプ前大統領の画像もそんなもので、それを見て信じた人が沢山いたわけです。
そして、冒頭で述べたプーチン大統領が、アメリカへの核攻撃を宣言する本物と区別がつかない動画映像を簡単に作ることができるようになってきました。
これらはAIの発達によるもので、それらのフェイク(嘘)に騙されないためにも、AIの基本的な仕組みと使い方を知っておく方が良いのではと思われます。
AIの基本を知ることで、目の前のデジタル情報が偽物の可能性があることを認識し、簡単に騙されなくなります。

◆AIの仕組み
AIは機械学習によって賢くなりますが、機械学習とは沢山のデータを学習して、データの中の特徴を捉えることです。
たとえば、AIは猫の画像を沢山見て学習すると猫の特徴を発見し、絵を描くプログラムと協力して、モデルなしで猫の絵を描くことが出来るようになります。人間も、基本的に同じことをしています。
同じように、プーチン大統領の映像や声を沢山学習すれば、AIはプーチンの姿や表情や癖や声の特徴を捉え、映像作成プログラムや音声作成プログラムと協力してプーチンのリアルな映像や声を作り出すことが出来ます。
そして、今や、本物そっくりのプーチンの映像や声を作り出すのに十分なデータを、インターネットで誰でも集めることが出来ます。
上のミッドジャーニーには、すでに、トランプ前大統領の画像の十分な学習済みデータがあり、あのフェイク画像を作った人は、ほとんど何の手間もかからなかったのです。
機械学習データを使って画像や動画や音声を作成できるプログラムも沢山あり、無料または低価格で誰でも使えます。
よって、プーチンのアメリカ核攻撃宣言の動画は誰でも作ることができると言って良く、今後はさらに簡単に作れるようになるでしょう。

◆誰でも被害に遭う危険がある
では、模倣できるのは、映像や声が沢山公開されている有名人だけかと言いますと、そうではありません。
声に関して言えば、誰の声を模倣することも、かなり簡単になっています。
沢山の人の声を学習したAIは、ターゲットとなる人物の少しの言葉でも聞けば、その人物の声の特徴をかなり推測できます。そして、少し長い会話でも聞けば、ほぼ正確に声を模倣することが可能です。
例えば、あるお金持ちの息子さんの会話を少し録音したら、その息子さんと同じ声で話し、少し長い会話を録音できれば話し方の癖も真似できます。そんな声で、「お父さん、困ったことになったからお金を振り込んで」と電話すれば、いわゆるオレオレ詐欺を非常に高度に行えるわけです。

◆ITリテラシーの必要性
テレビも自動車もインターネットも、実際にはほとんど誰も、その仕組みを知りませんが、使わないと社会から取り残されます。
特定の人だけが自動車や電話を使える時代には、それらを使える人が圧倒的有利でした。
AIも同じですが、実際に今、AIを使える人と使えない人の差が大きくなってきています。
テクノロジーが進歩するほど、テクノロジーを使える人とそうでない人の差は大きくなり、AIに関して言えば、その差はやがて極端になると思われます。
とりあえずは、AIの仕組みよりも、使い方が分かることで、自分に仕掛けられた悪意を見抜くことができるようになると思います。
ただ、AIの仕組みが少し分かっている方が、自分がAIを活用する時に、効果的にAIを使えますので、ごく簡単なことは理解しておくと良いでしょう。

以上です。

◆楽しいAI体験から始める機械学習 ~算数・数学をやらせてみたら~(Kay・MrΦ著。技術評論社)

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