ITが解らないと不都合であることが、ますます多くなってきていると感じます。
ITが解るとは、単に、パソコンやスマートフォンを使えるといったことではなく、それらの機器で使うアプリやサービスの安全性や、 社会の中でITがどのように機能しているか等を理解していないと、ITに強い人や組織、そして、ビッグテック(巨大IT企業)に監視・支配されたり、思わぬ不利益を被る可能性があると思います。
特に、日本では、ITに関する法律が甚だ不十分であるため、ITによる損害に対し、誰も助けてくれない可能性があります。
また、以前は、ITをうまく使うことで成功した作家や音楽家等のクリエイターが話題になりましたが、いまや、才能があっても、ITを活用出来なければ、世に出るのは難しいのではないかと思います。
◆IT用語が重要な訳ではない
現在、ITのトレンドであるものと言えば、SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)、IoT(もののインターネット)、AI(人工知能)等はよく聞きますが、さらに、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)等も、重要度が上がっています。
逆に、ITの用語の中には、重要そうに宣伝されていても、全く重要ではないものもあります。
昔だって、本当は重要でない横文字は沢山ありました。
今で言えば、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)という言葉が、すごく重要だと言う人がいて、そんな人達が、それを知らないことが、いかにも時代遅れで恥ずかしいと思わせたいように話すこともありますが、別に知らなくても良い言葉です。
そもそも、ITの用語で、知らなくて恥ずかしいものなど、実際にはありません。
なぜなら、ITは、本で読んで知っていても、知らないのとほとんど変わらず、自分でやってみて初めて分かることだからです。
スマートスピーカーという言葉を知らなくても何の問題もありませんし、すっかりお馴染みのクラウドという言葉だって、本当に解っている人は多くありません。
重要なことは、用語ではなく、実践です。
◆ITが分からないと理解出来ないこと
ITが分からないと、漠然とした状況すら掴めない事例として、今年のアメリカ大統領選挙がそうだと思います。
内容には立ち入りませんが、トランプ大統領は、大規模な選挙不正が行われ、それよって、本当は自分が圧勝しているはずが、バイデン候補が勝ってしまったという理由により、訴訟を起こしています。
これに対して、CNNやニューヨークタイムズ等のアメリカの主要メディアは一致して、大規模な不正の証拠はないと口を揃え、「裁判所は、トランプ側の主張に正当性がないと言って棄却している」と報道しています。
従って、現時点では、大半の日本人は、「大統領選挙はバイデン候補が勝ち、1月にはバイデン政権が発足する。トランプが何か騒いでいるようだが、彼はもうお払い箱だ」と何の疑いもなく思っているはずです。
しかし、実際には、現時点では、次の大統領が誰かは全く決まっていないのです。
◆中国問題
中国問題についても、ITが分からないと、本当の姿が見えません。
今や、中国は、孔子や老子の時代のイメージとは程遠く、電子システムによる中央集権化を目指すサイバー国家であり、政府レベルでITは驚異的に進んでおり、日本とは比較になりません。
だから、ITを理解出来なくては、そんな中国が、本当は何をやっているか、やろうとしているかは分かりません。
そして、中国の動きは、日本、そして、我々のビジネスや生活、そして、世界に大きく影響を与えますが、ITを理解していないと、それに気付きもしない可能性があります。
◆偉い弁護士もITリテラシーが必要
アメリカ大統領選挙に話を戻しますと、現在も、アメリカ大統領選挙は完全に継続中で、少なくとも、1月6日までは続きます。
現在も、法廷闘争が継続中ですが、この裁判には、ITが深く関わっています。
なぜなら、現在の選挙は完全にITで実施しているからです。
そして、このITを悪用した大規模な不正が起こったと、トランプ大統領側は主張していますが、不正の内容を説明されても、ITが分からないと、ピンと来ないかもしれません。逆に、ITに詳しいと、これをきっかけに重要なことが分かります。
トランプ大統領には、元ニューヨーク市長のルディ・ジュリアーニ弁護士、元連邦検察官のシドニー・パウエル弁護士、著名な人権弁護士リン・ウッドといった、高名な弁護士達が味方しているのですが(自主的に無報酬でやっている場合もあります)、いかに凄い弁護士でも、ITが分からないと何も出来ないのです。
ところが、これらの、決して若くない超有名なベテラン弁護士達が、皆、十分にITを理解して訴訟を行っていることに驚きます。
65歳のパウエルや68歳のウッドはもちろん、76歳のジュリアーニもちゃんと当を得た話をしています。
ところが、裁判官はITが分からないので、訴訟に対し、「信憑性に欠ける」と棄却している場合もあるように思われます。
裁判官(あるいは裁判所)は、ITに限りませんが、自分で責任が持てないことは、審議せず棄却したがるのだと思います。
アメリカでも、まだ、裁判官は、法律には詳しくても、ITに関しては無知な場合が多いと思われます。
今はそれで通用しているのかもしれませんが、今後、中国に出し抜かれないためにも、そんな古い体質の裁判官では困りますし、終身制と言われるアメリカ連邦最高裁判事も、このままで良いとは思えません。
それで、今は、トランプ陣営は、選挙不正に関する裁判の戦略の方針をITの問題から、憲法問題に変更したようにも思われます(IT関連も証拠としては十分に提示します)。
ITに関し、アメリカよりさらにひどい日本で、IT絡みの裁判が遅々として進まず、裁判所が判決を下すよりは和解を勧める場合が多いのも頷けます。
◆マスコミの信頼度
アメリカ大統領選挙に関する日本のマスコミの報道を見ると、本当に何も知らないことに驚きます。
また、アメリカではマスコミは堂々と嘘をつきますし(それが暴露されても平気なようです)、日本もそうかもしれませんので、自分でネットで情報を集めない限り、真相は分かりませんが、それには、インターネットによる情報収集能力が必要です。
もはや、マスコミの報道は、頭から疑った方が良いかもしれず、少なくとも、鵜呑みにはしないことが大切と思います。
昔は、新聞を熱心に読む人は勉強家で偉いというイメージがありましたが、もうそれは時代遅れなのかもしれません。
◆YouTuberになれる資質
ネットの情報は膨大で、しかも、珠玉混交であり、正しい情報を掴むのは大変です。
そこで、難しい問題に関しては、人々の代わりに情報を集めて整理し、それをYouTube等で分かり易く発信する人が人気があって、お金も稼いでいます。
今はもう、それが仕事として成立しているのです。
かなり前から、小学生から高校生が、将来やりたい職業として、YouTuberを挙げることが多くなっていますが、長く稼ぎ続けるためには、上に述べたようなスキルが必要であることを、大人がちゃんと教えてあげなければなりません。
YouTuberというのは、今や、価値が認められた立派で有望な職業ではあるのですが、そうであるなら、それに見合う高度な能力や努力が必要なはずです。
ただ、マスコミの場合にも言えるのですが、人気のあるYouTuberの情報だって、ある程度、あるいは、かなりの偏向が混じっていると考えた方が良いでしょう。
すると、1から情報を集めるよりは簡単ながら、YouTube等の情報の真偽を判定する能力は、やはり必要です。
以上です。
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