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2020年5月24日日曜日

新型コロナウイルスに対するAI活用法

新型コロナウイルス対策にAIを役立てる簡単な方法を書きます。
厚労省等、政府機関には新型コロナウイルスに関連した多くのデータがありますので、それを使えば、AIでかなり有益なことが出来るはずです。
ただ、一般に公開されているデータからでも、そこそこ、役に立つことが出来るはずですので、とりあえず、それをお話しましょう。

◆可能なこと
最も単純なものとしては、未来のある時点(例えば、2021年8月10日)での、感染者の数、死亡者数を推測出来ます。
また、感染者、あるいは、死亡者が、ある人数(例えば、感染者100人)まで減少するのはいつになるのかを推測することも出来ます。
推測の精度の高さは、データ量や、分析手法等によって異なってきます。

◆単純なモデル
例えば、日本全体の次のようなデータを集めるとします。
・日付
・曜日
・感染者数
・死亡者数
これらのデータは簡単に入手出来ます(データの信憑性等はここでは問いません)。
これらのデータを集め、AIに学習させます。
現在では、ほとんどの場合、AIにデータを学習させることを機械学習と言い、高度な機械学習のことをディープラーニングというのだと言って良いと思います。厳密ではありませんが、だいたいそれで良いと思います。
AIは、これらのデータを学習しながら、感染者数、死亡者数を推測するための法則を作っていきます。
この法則が、どれくらい正しいと期待出来るかもAIは提示出来ます。
ここで重要なことは、推測するための法則の作成に人間が関わらないことです。
そのため、AIが作った法則は、人間には解らないブラックボックスです。
だから、たとえ、AIが優れた推測をしても、なぜそう推測出来るのか、基本的に、人間には解らないのです。
※これが、人間が法則を作るビッグデータ分析との大きな違いの1つです。

◆予測の精度を上げる
上の単純なデータモデルでも、データ量が十分に多く、データの期間が十分長ければ、ある程度、正しい推測が出来る可能性があります。
そして、さらに、予測に影響を与えるデータ項目を増やすほど、予測の精度を上げられる可能性があります。
例えば、
・気温
・降水量
・PCR検査数
等です。
また、一見、関係がないと思われるデータでも、実際は影響があるかもしれません。
例えば、
・大手通販売上高
・高速道路混雑度
・新幹線乗車率
・航空機乗車率
・交通事故発生数
・NHKの視聴率
等で、他にも無限に考えられます。
項目は、多ければ多いほど正確な法則が作られる可能性がありますが、項目を増やすほど、AIが法則を作るための学習時間は大きくなり、場合によっては、大き過ぎて処理不能になります。
どんなデータが有効かは、現実的には試行錯誤することも多くなります。
つまり、「やってみないと解らない」ことも多いのです。

◆予測
では、次のデータで、AIに学習を行わせるとします。
目的は、未来の感染者数、死亡者数の予測です。

・日付
・曜日
・平均気温
・降水量
・1日のPCR検査数
・感染者数(予測用)
・死亡者数(予測用)

その後、推測したい未来の日付と曜日を指定します。
そして、「平均気温」「降水量」「1日のPCR検査数」の数値の様々な組み合わせを設定し、そのそれぞれの組み合わせごとに、AIに感染者数と死亡者数を予測させます。
例えば、日付、曜日、平均気温、降水量、1日のPCR検査数の組み合わせを、
(2021/3/06、土曜、10度、0ミリ、3600件)
(2021/3/06、土曜、12度、0 ミリ 、3600 件 )
(2021/3/06土曜、12度、0 ミリ 、4000 件 )
(2021/3/06、土曜、12度、10 ミリ 、3600 件 )
(2021/3/06、土曜、12度、10 ミリ 、4000 件 )
といった感じで、このようなパターンを必要なだけ(数百、数千になるかもしれません)作ります。
その、それぞれのパターンについて、AIは、感染者数と死亡者数を推測します。
これにより、特定の日に、どのような条件なら、どのくらいの感染者数と死亡者数になるかをAIは予測します。
例えば、「2021年3月6日土曜日で、平均気温が16度、降水量が100ミリ、1日のPCR検査数が3000件の場合の、感染者数と死亡者数はどうか?」といった感じです。
このAIの活用法として、例えば、気温や降水量が同じとし、PCR検査数を、様々な数に設定してAIに推測させると、PCR検査数の違いによる感染者数を推測させることが出来ます。
これによって、PCR検査は必要か必要でないか、あるいは、却って害がある可能性がある等といったことも解るわけです。
高度なAIの活用法も、基本的には、この応用と考えて良いと思います。

以上です。

当ブログオーナーKayのAI書籍。
Amazon Kindle版発売中。紙の本は、5月30日発売です。

Excelが普通に使えるスキルがあれば、数学、プログラミング、AI理論なしで、実用的なAIを自分で作れるようになることを目指しました。
非常に易しい課題から始め、「モンティ・ホール問題」等の面白い問題を、AIを使って自分で解けるよう、必要なデータを作れる、Excelマクロ(VBAプログラム)で作ったシミュレーションプログラムを、出版社サイトから無償でダウンロード出来ます。

2020年4月9日木曜日

『楽しいAI体験から始める機械学習』トピック(4)

~野球がちょっと上手い気楽な近所のお兄さんから野球を教えてもらうようにAIの作り方を学べないか~

野球のようなスポーツでも、楽器演奏のような芸術でも、あるいは、プログラミングのような技術でも、多くの人達が好ましく思う習得法は、専門のコーチがいる学校の部活や専門の学校に通うことと思います。
しかし、そういったものの場合、画一的なやり方が押し付けられる傾向があり、それに順応しない場合は、落ちこぼれます。
そして、それに順応しないことは、必ずしも能力がない訳ではなく、エジソンもアインシュタインも学校では落ちこぼれでした。

正統な学習や訓練でない方法でなくても道は多く、その方が柔軟に学べ、想像力を育てる場合も多いのではないかと思います。
例えば、野球が得意でない小学生が、運良く近所のちょっと野球の上手い気楽なお兄さんから手取り足取り教えてもらって、格段の上達をする場合もあります。
実を言うと、全く野球音痴の小学生だった私が、元は野球部員だった近所のお兄さんに教えてもらうと、その分かり易さや、楽しさは素晴らしく、あっという間に上達したものでした。
ただ、あまりにこだわりの強いお兄さんなら、あまり教わりたくない場合が多いですが(笑)。

私のAI書籍『楽しいAI体験から始める機械学習』も、ちょっと野球の上手いお兄さんから野球を教えてもらうような感じでAIの作り方を身に付けられると良いと思います。
普通の機械学習やディープラーニングの書籍では、決して扱わないような単純な例を取り上げ、それを自分で手を動かしてやってみると、AIの作り方が解るように書きました。
一度でよく解らなくても、内容が簡単ですので、何度か繰り返すと解ってくるのではないかと思います。

数学がかなり出来、プログラミングに自信があるなら、TensorFlow(代表的な深層学習フレームワーク)とPython(プログラミング言語)を使う本格的な技術書で学べるのだと思うのですが、ほとんどの人には、そんなことは不可能ですし、そんなことが出来る人だけがAIをやれば良いのではありません。
また、技術者でないなら、AIの表面的な概要が分かれば良いというのでもありません。
AIを作るために本当に大切なことは、
「問題を予測問題として捉え直すセンス」
で、これは、理系文系はあまり関係ありません。
そして、今後の世界では、AIが使えること、AIを自分で作れることが、おそらく、非常に有利になってくると思います。
『楽しいAI体験から始める機械学習』だけで全てOKとは言いませんが、他に、普通の人がAI開発に取り組むきっかけになる適切な本がありませんでしたので、書いてみました。

『楽しいAI体験から始める機械学習』
技術評論社
Kay著、MrΦ著
2020年5月11日発売

本書内のほぼ全ての実習のためのデータ作成が出来る、VBAシミュレーションプログラムが組み込まれたExcelファイルを出版社サイトからダウンロード出来る特典付です。

2020年4月5日日曜日

『楽しいAI体験から始める機械学習』トピック(3)

私は、『楽しいAI体験から始める機械学習』で、AIや機械学習に関する、高度な技術や理論を提示する意図はありませんでした。
教科書を教えるように書くことではなく、Excelが使える(あるいはこれから使えるようになる)普通の人が、どうすれば、自分でAIを作れるようになるかを考えました。

AIは、思考するのではなく、推測する道具と言って良いのではないかと思います(よって、AI自身が地球を征服しようとはしません)。
だから、それぞれの人が、身近な問題をAIに解かせるには、その問題をいかに推測問題に捉え直せば良いかが自然に身に付くよう、普通に考えられる、そして、面白いテーマを考えました。

機械学習の実習の定番に、手書きの数字(0~9)をAIに読ませるというものがあります。
つまり、フリーハンドで書いた数字が、0から9のどの数字であるかをAIに推測させるというものです。
これは、沢山のサンプルを学習することで、AIは正解率を高めていきます。
ただ、そんな問題、面白いでしょうか?
それをやって、すぐに何かに応用出来るでしょうか?
確かに、理論を勉強するには適した題材だと思います。
しかし、私は、理論よりも、自分でAIに推測させることを楽しむことで、自分の問題をAIに推測させるコツを掴んで欲しいと思います。
そのために、厳密には正しくないやり方もあったかもしれませんが、試行錯誤してAIの使い方が身に付くよう、ちょっと乱暴なこともやらせています。
ロジスティック回帰、サポートベクタマシンといった難しい言葉は一切使いません。

とはいえ、この本で使ったソニーNNCによって、有名なデータサイエンス企業Kaggleが提供する、タイタニック号の乗客名簿から生存者を予測するコンテストにも参加し、ある技術系有名雑誌の専門家が複数で競って出したよりも高い成績を出し、Kaggle参加者の中でも、割合に上位にランキングされました(しかも1発で)。
これも、この書籍に収めようとして、一度書いたのですが、Kaggleにデータの掲載許可を求めたところ、一応、契約を結んで欲しいという返事があり、時間がかかりそうなこともあり、また、これに関しては、既に、上に述べた雑誌や書籍、あるいは、数多くのブログで取り上げられていましたので、本には載せないことにしました。
(書籍出版後、このブログに掲載することも検討します)

『楽しいAI体験から始める機械学習』

出版社:技術評論社
著 者:Kay、Mr.Φ
出版日:2020年5月11日

AIは誰でも作れる時代。
まず、あなたから。

第3回終了

2020年3月30日月曜日

『楽しいAI体験から始める機械学習』トピック(1)

来月(2020年4月)、私と数学講師Mr.φさんとの共著のAI(機械学習・ディープラーニング)書籍、

『楽しいAI体験から始める機械学習』

が、技術評論社から出版される予定です。
この本のトピックを、少しずつ語っていこうと思います。

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今のAIは凄いと言われます。
その通りです。

スマートフォンをお持ちなら、Googleアシスタントという素晴らしいAIを誰でも無料で使えます。
「17条憲法って何?」
「2048年9月2日は何曜日?」
「4068かける992は?」
「モーリタニアの首都は?」
などと声で質問したら、即座に答を言ってくれます。

ところが・・・
「11って、素数?」
「5は奇数?」
って聞くと、アシスタントは答えをはぐらかします。
なぜ、こんな簡単なことを・・・と思うかもしれません。
私の本では、そんな例をもとに、AIの得意不得意も説明しようと思います。

私の本では、誰でも自分で、無料でAIが作れるようになることを目指しています(実際に作るにはExcel程度は必要になります)。
機械学習ソフトは、ソニーの無料のWindowsアプリNNC(Neural Network Console)を使います。私なら1憶円と言われても驚かない凄いソフトだと思います。

最初は、拍子抜けするほど易しいことをAIにやらせるのですが、易しいと言っても、苦労して子供に教えるような内容です。
それを確かに、AIは自分で学ぶのです。
例えば、算数の足し算です。
ところが、足し算の仕方を直接AIに教えなくても、問題と答を与えていけば、AIは自力で学び、足し算が出来るようになります。
そして、天才や博士でも分からない問題のデータ(問題とその答)を与えたら、AIは算数と同じように、それを学び、答を出せるようになるところもお見せします。
足し算も、難問も、同じように学ばせることが出来る訳です。
つまり、AIに足し算を学ばせる方法が分かれば、少しの応用で、あなたは、あなたが抱える難しい問題もAIに学ばせ、答を出させることが出来るかもしれないのです。

1回目終了。