「いまどきブロックチェーンを知らないなんて遅れている」と言われたのは10年以上前ですが、今でも、ほとんどの人がブロックチェーンについて「名前くらいは聞いたことがある」という程度で、少しでも説明できる人はほとんどいないでしょう。
このブロックチェーンが想像を超えた驚くべき重要なものであることと同時に、その闇について説明しようと思います。
◆なぜブロックチェーンが知られていないのか?
ブロックチェーンとは、簡単に言えば、以下のような特徴を持つデータベースです。
①無限の規模
②絶対壊れない・消えない
③セキュリティは完璧
④プライバシー保護は完璧
⑤管理者不要
という夢のようなものです。
こんなものが本当にあり、完全に完成しているのです。
ちなみに、使用料は無料です。
こんな重要で簡単なことを、なぜほとんど誰も知らないのかというと、まずはもちろん、ほとんどの人が自分と関わりがないと思っているからです。
しかし、それにしても、この世界の未来を決するほど重要なものがこれほど知られないのには理由があるはずですが、その理由とは次のようであると思います。
たとえば、上の③の「セキュリティは完璧」ということについて、書籍やセミナーでは「なぜセキュリティが完璧なのか?」という、余計なことを説明するからです。
そんなこと、説明したって普通の人には分かりません。生半可な理解は間違いなく誤解で、それなら、理解しよう(させよう)などと思わない方が良いと思います。
しかし、人間は、ものによりますが、「俺に分かるように言ってくれるべきだ」と感じる傲慢なところがあります。
たとえば、子供がテストで百点を取ってきても「どうやって百点を取ったのか?」と聞く父親はあまりいませんが、子供が不登校になったら「なぜ学校に行かないのかお父さんに分かるように言いなさい」と言います。
話だけ聞いて理解出来るはずがないのに、お父さんは「俺に分かるように言え」と言うのですから無茶な話です。
子供が不登校になった理由が理解出来ない原因と、ブロックチェーンが理解出来ない原因は似ていて、それは、「自分が知らないことを知ろうとしないから」です。
人間は、知識が増えるほど、知らないことも、自分が知っている知識を使えば理解出来ると思ってしまい勝ちです。
しかし、人間に理解できることは、自分の頭の中にあることだけです。
今は、ほとんどの人の頭の中にないことがどんどん出て来ています。
だから、今の世の中では、自分が知っている知識や経験がまるで役に立たないことが沢山あり、また、これからも沢山出てきます。
新しいことを受け入れる覚悟が必要です。
そして、ブロックチェーンに適応する方法と子供の不登校を解決する方法も似ています。
それは「向き合うこと」です。
話だけ聞いて理解出来るなどと思わず、当事者意識を持つことが必要です。
◆マイナンバーシステム
上で述べたブロックチェーンの5つの特徴を知って、当事者意識を持てば、ブロックチェーンに適応できます。
ところが、問題は、これらの特徴があるがゆえに使いたがらない、使わせたがらないのが政府だということです。
政府が必然的に持つ思惑を理解することが、ブロックチェーンの深い理解につながると思います。
たとえば、最近、よく話題になるマイナンバーカードが良い題材です。
マイナンバーカードには批判も多いのですが、ほとんどの人は、批判の本質が何か分かっていません。
報道でよく聞くマイナンバーカードのトラブルは表面的な問題に過ぎません。
マイナンバーカードは、マイナンバーシステムのための道具です。
マイナンバーシステム自体は多くの国にありますが、日本のようにマイナンバーカードに書かれた個人番号で、保険証など、あらゆる個人情報を紐付けようとするような国は他にありません。
なぜ、そんなことをしようとするかと言いますと、政府は国民のプライバシーを丸裸にして管理しようという思惑を持っているからですが、それがうまくいった例はどこの国にもありません。
それを今やろうとする日本は、世界的に見て、ITに関して完全に周回遅れなわけです。
そもそも、現在の日本のマイナンバーシステムは極めて時代遅れで、それが多くのトラブルを生んでいます。
ITに通じた人であれば、マイナンバーシステムは、現在のものは潔く捨て、ブロックチェーンを導入して新しく作り直せば良いことを知っています。
ブロックチェーンを導入したエストニアでは、短期間に低コストで、安全で便利なマイナンバーシステムを構築し、国民に多大なメリットを与えています。
◆政府はブロックチェーンを嫌う
上にあげたブロックチェーンの5つの特徴を見れば、なぜマイナンバーシステムにブロックチェーンが向いているか分かると思います。
セキュリティが万全で個人情報が保護され、絶対に壊れません。
(しかも、使用するために、グーグルやアマゾンに巨額のお金を払う必要がありません)
しかし、このことが同時に、(社会主義国家が典型ですが)あらゆる政府がなぜ、ブロックチェーンを採用したがらないのかの理由になっています。
日本政府も、もちろんそうです。
それは⑤の管理者不要というところです。逆に言えば、管理者を持てないのです。
管理者不要だからこそ、④の利用者のプライバシーが完全に守られます。
しかし、上で述べた通り、政府は、国民のプライバシーを丸裸にして完全に管理したいのです。
ブロックチェーンというユーザーのプライバシーが守られる仕組みを導入すれば、それができなくなります。
◆ブロックチェーンの発明者については今も謎
何度も述べましたように、ブロックチェーンのように管理者が不要なシステムでは、政府が管理者になって、国民の全ての情報を把握することが出来ません。
ブロックチェーンの発明者は、そんな仕組みが必要だと思って、ブロックチェーンを設計・開発したのだと思いますが、その正しさがはっきりしてきたと思います。
ブロックチェーンの発明者はサトシ・ナカモトという日本人だと言われていますが、この人物に関する全ては謎です。
もし、サトシ・ナカモトの正体が分かったら、逮捕されるのではないかとも言われています。
その理由は、これが、上に述べたように政府にとって不都合なものであるという理論上の話だけではなく、既に、ブロックチェーンによって、重要なことで政府の管理を離れてしまったものがあるからです。
それは、ブロックチェーンを使ったビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨です。
つまり、仮想通貨が普及し、銀行の管理が及ばない通貨が作られてしまったのです。
銀行の管理が及ばなければ政府の管理を離れているということで、これを実現したことが国家反逆罪と言われても不思議はありません。
しかし、もはや、政府も、どうしようもないというのが現実です。仮想通貨は世界中で普及してしまいましたから。
ただし、他のことでは、政府は徹底的にブロックチェーンの導入に抗うでしょう。
けれども、Web3という新しい時代は、ブロックチェーンが必要とされます。完全に世界はそちらに向かっています。
新しい時代を迎え、政府などの古い人間と新しい人間との間でひずみが生まれていますが、余計な争いや混乱を避け、自由で平等なWeb3の世界に進むべきと思われます。
Web3への流れは、どうしようと止められないからです。
(ただし、政府やGAFAMは今もそれを阻止しようとしています)
そのためには人々がブロックチェーンを理解する必要がありますが、まず知るべきことは上の5つだけで、そこから始めれば良いと思います。
以上です。
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