※ 2023年11月執筆
誰もがプログラミングをする必要はないということをなるべく根拠を持って説明しようと思います。
たしなみのために少しはピアノを習っておくのはまだ良いかもしれませんが、プログラミングはそうではないと思います。
◆「全ての人がプログラミングを」とそそのかす勢力
10年ほど前、頻繁に、「全ての人がプログラミングを学ぶべき」ということが世界中で喧伝されていたと思います。
当時の米国大統領だったバラク・オバマが「全てのアメリカ人がプログラミングを学んで欲しい」と演説し、アメリカの巨大IT企業が共同で世界的な無料プログラミング教育サービスプロジェクトを起ち上げ、多くの国の学校がプログラミング教育を導入し、日本の学校もそれに倣った感があります。
現在もそれが継続していますが、人間のプログラミングの適性に関し、いろいろなことが分かってきました。
◆名門大コンピューター学科の学生の6割がプログラミングができない
イギリスのミドルセックス大学で書かれた「ふたこぶラクダ」という論文が一頃有名になりました。この論文は現在は取り下げられていますが、興味深い内容でした。
ミドルセックス大学はコンピューター分野で高い評価を受けている大学です。
その大学のコンピューター学科の学生にプログラミングを教えたところ、満足にマスターできたのは4割だったと言います。
この大学のコンピューター学科に入学する学生ですから、コンピューターに興味があり、頭脳もそれなりに優秀であると思われますが、6割はマスターできなかったのです。
どんな科目の勉強でも、できる子とできない子はいますし、それは楽器演奏やスポーツ等でも同様です。
ところが、プログラミング言語Rubyの開発者として世界的に知られる技術者のまつもとひろゆき氏が、学校でのプログラミング教育について、それどころではないことを言っていました。
「プログラミングは、能力の差が極端過ぎ、評価ができないのではないか?」
これは、できる子は素晴らしい能力を発揮するが、一方、できない子は全くできないということです。
他の学科では、これほどの極端なことは起こらないと思います。
国語や算数では、頑張れば誰でもそれなりの結果が出ますが、プログラミングでは、頑張ってもさっぱり駄目なこともあり得ます。
なぜそんなことになるのでしょう?
◆IT企業経営者の本音
人の想いは、堅苦しい改まったインタビューより、YouTubeでの気楽な話の方が本音が現れるものと思います。
ある時、ドワンゴ創業者として有名でカドカワ取締役(筆頭株主)の川上量生氏がYouTubeの中でこんな話をしていました。
「企業って本音では(学歴が高い社員ではなく)地頭がいい社員が欲しいんです」
川上氏はドワンゴで自ら、優秀な人材を採用していました。
また、川上氏は著書の中でこんなことを書いています。
「プログラミングは地頭が良ければ誰でもできるんです」
地頭とは、純粋な頭の良さです。地頭はIQ(知能指数)と完全に同じとは言えないまでも、相関はかなりあると思います。
つまり、IQが高ければプログラミングは誰でもできるというのと同時に、IQが高くなければプログラミングができないということです。
マイクロソフトCEO時代のビル・ゲイツも、
「プログラミング能力は純粋なIQです。IQにより極端な成果の差が出ます」
と言っていました。プログラミング能力が生命のマイクロソフトを長く率いたゲイツの言葉には信憑性があります。
また、筆者は、日米の沢山のIT企業に関わった国際ITコンサルタントにこう言われたことがあります。
「プログラマーの能力はIQだけですよ」
◆IQのタブー
これで1つの結論を見た思いがします。
最初の「ふたこぶラクダ」の論文で、なぜ4割の学生しかプログラミングがマスターできなかったのかというと、上位4割のIQがプログラミングの適正があるというだけのことです。
コンピューター学科の大学生の平均IQは全ての国民のIQよりいくらか高く、少なくとも105以上と考えて良いと思います。そのうちの4割ですから、正確ではありませんが115以上程度のIQがそれに該当すると思われます。
すると、プログラミングはIQ115以上でないとマスターできないと思われますが、これは立場ある人が軽々しく言えることではありません。なぜなら、IQが遺伝的に決まるという考え方が今でも優勢で、IQに触れることは差別的と捉えられがちだからです。
しかし、近年の研究では、IQはある程度は遺伝で決まるとしても、後天的に伸ばすことができるという説が有力と思います。
◆AIがプログラミングをする時代
抵抗がある言い方かもしれませんが、プログラミングをマスターするIQ(推定115以上)がなければ、実りのないプログラミングの勉強に時間をかけず、もっと自分に向いたことにエネルギーと時間を注ぐべきと思います。
また、ChatGPTなどのAIが高度なプログラミングを行えることは知られており、ますます、人間がプログラミングをする必要がなくなります。
今のところ、AIにプログラミングをさせるには、プログラミングが出来る人がAIに指示をする必要があります。
しかし、いずれは、プログラミングができない人でも、AIに実用的なプログラミングをさせることができるようになるでしょう。
人間は、もっと、自分の好きなこと、自分に向いたこと、そして、本当に必要な勉強をするべきであるし、実際にアメリカでは教育も含め、そのような流れが起こっていると思われます(学校以外で学習を行う「アンスクーリング」教育等)。
学校でプログラミング教育を必須にする流れが世界的にありますが、ごく基本的な部分に止めるのが良いと思います。
※尚、言うまでもなく、IQテストで計測できるIQは、頭の良さ全体を示すわけではなく、IQテストの成績が低くても優秀な人は沢山います。しかし、IQテストで良い成績を出せる人(パズル的な問題が得意な人)でないとプログラミングに向いていない可能性は高いと思われます。
以上です。
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